La Vida de Viaje

旅行や登山の記録

【スペイン旅行】テイデ登頂記 現地入り・市街地散策編

2019年9月中旬にカナリア諸島テネリフェ島にあるテイデ山に登頂した。その時の記録を綴ろうと思う。今回は現地入りと、登山前の市街地散策について書いていく。

スペイン本土からテネリフェ

テネリフェへはヨーロッパやアメリカからの便でアクセスが可能であるので、日本から行く場合はヨーロッパからのアクセスが一番便利だと思う。スペインのマドリードなどからは便が出ていると思う。

航空券を買う際、テネリフェには南北2つ空港があるため注意をしたい。滞在先のホテルによって近い方を選ぶと良いだろう。

私の場合は、すでにセビージャまでのチケットを購入していたため、セビージャからテネリフェへアクセスするルートを取った。

スペインの本土からフライト時間は大体2時間くらい。日本で考えるなら、東京から沖縄に行くようなイメージだろう。

私はセビージャを2021年9月16日、20時過ぎくらいに出発する便でテネリフェに向かった。スペインの本土は夏は日が長く、空港に向かったタイミングでは夕暮れ時だった。

テネリフェ島に近づいてくると、もう日は完全に傾き周囲は真っ暗だった。飛行機はだんだん高度を落として、テネリフェの空港に着陸した。その時、機内では拍手喝采と歓声が起こった。テネリフェに着陸するフライトは大体いつもこんな感じだと、テネリフェに住む人から聞いた。

San Cristóbal de La Laguna

フライトが到着したのはテネリフェに到着したのは大体現地時間で21時30分くらい。本土出発から1時間しか経っていないように見えるが、本土とカナリア諸島の間には1時間の時差があるためである。

バックアップを背負い空港の外に出ると、外は深い霧に包まれていた。

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空港から宿泊予定であったサン・クリストバル・ラ・ラグーナ(San Cristóbal de La Laguna)へはバスで10分。バス停からだいたい20分くらい歩いて、宿泊予定だったホステルに向かった。

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道中、こんな感じで装飾が施してあった。どうやら、現在ラグーナではお祭りをやっているようだった。

ホステルはPatio Hostelというところに宿泊した。

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到着時刻は10時を過ぎていたので、現地からするとかなり遅いほうだが、ホステルに入るとスタッフが迎えてくれた。

このホステルはかなりフレンドリーなホステルで、名前通りパティオ(中庭)に人が絶えず集まっていた。私がついたときも外で何人かビールを飲んでいた。せっかくなので冷蔵庫に冷えていたビールを1€で購入し、他の宿泊者と語らった。

泊まっていたのはほとんどがヨーロッパの人たちで、アジア人は私一人だった。テネリフェに来る日本人は結構レアらしい。まぁそうだよな。

本土スペインから何人か来ていて、スペインの各地の話を聞いた。バスクから来ている人、カタルーニャから来ている人、など様々だった。普段の生活の話や、なんでテネリフェに来たのか、など色々と話した。会話はスペイン語でもしていたが、私がついていけないことがわかると英語に切り替えて話してくれた。優しい。

私は明後日テイデに登る予定だと伝えると、登るのにはチケットや宿の手配が必要だけど大丈夫?と聞かれた。すでに予約済みなので大丈夫だよ、というと、良かった、楽しんできてね、といってくれた。みんなほんとに優しいなあ。

そういうわけで、2時間位団らんしてたら眠くなったので床についた。

市街が一望できる展望台へ

次の日私は早起きして、洗濯を済ませた後は街に繰り出した。

朝ごはんで、適当にカフェでサンドイッチとエスプレッソを詰めて外に繰り出してぶらぶらとした。

午後には、Hello Talkで知り合った友達に会った。車を出してくれて、街を色々案内してくれた。

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ここはハルディナ展望台(Mirador de Jardina)から一望できる景色。ここは夕暮れがとてもきれいで、たまにワインを持って友達と来るんだ、と教えてくれた。

奥に見えるちょっととんがっている山が、テイデである。明日、あれに登るのかあ。

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その後もう一つの展望台に連れて行ってもらった。こっちはちょっと標高が高い。

天気がよくて、街がよく見渡せた。

 

その後市街地に戻ってお昼ごはんを食べた。

彼女はあまり英語が得意ではないといっていて、私もスペイン語を少し勉強していたこともあり、私達の会話はすべてスペイン語だった。

私のスペイン語レベルは、とても低い。赤ちゃんレベル。ほとんど聞き取れないし、何をいっているのかわからなかった。ずっと昔、まだ英語があまりしゃべれないときにニューヨークに行って、なんにもわからなくて右往左往した日々を思い出した。

それでも彼女は根気強く色々教えてくれた。本当に感謝。

その後はラグーナの観光名所を巡った。

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時計塔はラグーナのシンボル。この写真ちびっこがいい味出してる。

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ラグーナの大聖堂はスペイン本土の大聖堂とは全く様式がことなる。南国って感じ。

ラグーナのお祭り

ちょうど私がラグーナに止まっていた9月の中旬はラグーナの市内のお祭りがあった。キリスト教圏ではよくあるお祭りだと思うが、キリストの大きな像を掲げて街を練り歩くプロセッションが行われていたようだった。あいにく私はそれを目撃することはできなかったが。

代わりに、ホステルの隣の広場で街の学生たちが発表を行っていた。ステージがでかい。

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街の周りには屋台がある。売ってるのはフライドポテトとか、チュロスとか。売ってるものは違うけど、お祭りといえばやっぱ屋台だよね。

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出発へ

この日は夕飯をまぁまぁ良さげなレストランで食べて英気を養った。

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お肉のプレートをお腹に詰め込んで準備万端。食料やお水もお昼のうちに全部買っておいた。これで準備万端。

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昨日の夜みんなで語らっていたところ。この日少し遅めの夕食をとった私が帰ってくると、結構遅かったので今日は誰もいなかった。テイデを登ったあとは、ラグーナでホテルをとっていたので、ホステルは今日が最後だったが、楽しかったのでちょっと名残惜しい気分になった。

明日はラグーナのバス停から朝6時ごろ出発し、テイデ行きのバスが出ているプエルト・デ・ラ・クルスに向かう。ワクワクした気持ちで眠りについた。

【スペイン旅行】テイデ登頂記 準備編

はじめに

日頃社会の荒波に身を任せて、気がついたら何年も経っていた。そんなときふと、久しぶりにブログを立ち上げて、昔の記事を読んでいたら、旅行していたその当時のことが鮮明に思い出されて、とても懐かしく、かつ新鮮な気持ちになった。あの時自分はこんなことを感じて、こんなことを考えていたのか、と。普段は前を見てそれなりに生きているけど、時々後ろを振り返って見ても、色々気がつくことがあるのかも。そんな時、自分が体験したことを書き綴ったものがあれば、記憶の再体験がこんなにも容易になるのか、と感じた。

日々自分の脳みそには新しい情報が詰め込まれて、段々と古い情報は頭の外に追い出されてしまう。だから、覚えているうちに思い出を書き留めておくことは、とっても重要なんじゃないか、そう考えていて、またぽつりぽつりと、自分の体験したことを書いていこうかな、と思った。

私はあのサンティアゴの巡礼の後、何度かスペインを訪れたし、ヨーロッパの各地も旅した。その時々、面白い発見があったし、様々な人に出会った。その中でも、もう2年も前のことになるが、スペインのカナリア諸島(Canary Islands)に行き、テイデ(Teide)に登ったことは忘れたくないことの一つ。あったかくて、とても楽しかった。これは、忘れないうちに綴らなければ。

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ということで、カナリア諸島に行ったときのこと、テイデに登ったときのこと、思い出しながら書いていこうと思う。また、日本ではあまりメジャーではないので、カナリア諸島に行ったことのある人、テイデに登った人、というのはあんまりいない気がする。コロナ前の情報にはなるが、コロナが終わった後、旅行計画の参考になればと思う。

カナリア諸島って?

カナリア諸島はスペイン領だが、位置的には本土から南に飛行機で1時間、アフリカサハラ砂漠の西あたりに位置する。

西サハラとモロッコの横辺り。8つの島で構成されていて、一番大きいのはテネリフェ(Tenerife)島。テネリフェの隣にあるグランカナリア島も結構有名。

カナリア諸島は歴史的に大陸間を移動する際のハブとして使われてきたという経緯がある。そのためスペインの本土と少し様相が異なるところがある。

まずは言葉。といってもスペイン自体かなり地域ごとに言語には特色があり、方言も多様だが、カナリア諸島にもカナリア諸島の方言がある。例えば、バスはスペインの本土ではautobúsというが、カナリア諸島ではguagua。グアグアと発音する。すごい名前よね。カナリア諸島の人に、私の拙いスペイン語でautobúsって言ったら、ここじゃ誰もそんな言い方しないよって笑われた。あと普通に町中にguaguaって書いてあるから面白い。

じゃがいもは本土ではpatatasだが、カナリア諸島ではpapas(パパス)。フライドポテトはpapas fritas(パパスフリタス)。ちょっと舌足らずな感じが可愛い。

あとは、建築の様式も結構異なると思う。これは、ラグーナという街にある大聖堂である。

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こんな感じで、スペインの本土にあるゴシック建築とはちょっと異なる建物が多くある。

あとは、気候や生態系は本土のそれとは全く異なる。気候は市街地では1年中20度くらい。日差しはとても強く、日焼け止めがないと真っ黒になってしまうが、夏でも夜はまあまあ涼しい。私が訪れた時も夏だったが、夜は肌寒かった。また、サハラ砂漠の側にあることから時々砂漠からの飛砂害に悩まされることもあるそう。

生態系は、離島あるあるかもしれないが、独自の生態系が形成されていて、カナリア諸島にしかいない動物がいる。特によく見たのはこのトカゲ。写真は登山中に撮ったものだがいろんなところにいっぱいいる。でかいやつは結構でかい。

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カナリア諸島は火山性の島で、過去噴火によってできた島々だそうだ。カナリア諸島最大の島テネリフェにはテイデというスペイン最高峰の山もあり、その高さは3,718mでだいたい富士山と同じくらいの高さ。また海もきれいで、まさにいたるところに自然があるので、ヨーロッパやアメリカに住む人の人気の観光地として栄えている。

そんなテネリフェ島に、2019年の9月に行って、テイデに登ってきた。

なんでテネリフェに?

その当時、一週間強スペインを旅行することが決まっていて航空券は持っていたのだが、予定を全く立てておらず、直前まで何をしようか考えていた。そんな時その当時言語交流アプリのHello Talkで仲良くなった人がテネリフェに住んでいて、おすすめしてくれた。そしてそこには、スペイン最高峰の山があるというではないか・・・。そこに山があるなら、行くしかない。ということで、旅行の一ヶ月前くらいに、スペインの本土からテネリフェへ行くチケットを買った。

テイデに登るための準備

登山には許可が必要

テイデへ登るために色々と下調べを行った。

まずテイデへ登れる人数は限られている。登頂するためには、許可を得る必要がある。2019年時点では下記の2つの方法のいずれかを取らなければならなかった。

  1. テイデの麓から出ているロープウェイ(Teleférico)チケットを予約購入する
  2. テイデに登る途中にある山小屋アルタビスタ(Altavista)に宿泊する

私はできるだけ自分の足で登りたいと思いが強かったので、2番目の山小屋に宿泊するオプションを選んだ。予約は結構すぐに埋まってしまうようだったのだが、幸い1ヶ月前くらいに滑り込みで山小屋の予約ができた。予約は下記のサイトから可能。

www.volcanoteide.com

登山道へのアクセスとルート

登山道へのアクセス方法は基本的には車かバス(guagua)しかない。guaguaは時間が限られているので注意が必要。

テネリフェ島の北側と南側からアクセスが可能で、北側からだとPuerto de la Cruzから出ているno. 348、南側からだとCosta Adajeからno. 342に乗って登山口へとアクセスができる。

登山口はだいたい2,000mくらいの高さにある。だいたい富士山と同じような感じである。

メジャーな登山口はMontaña Blancaから登るルート。テイデのサイトにも行き方が書いてある。

blog.volcanoteide.com

私は欲張りなので、メインのルートじゃ満足できん、といろいろ調べて、とても変なルートから登頂した。メイン記事で綴ろうと思うので、乞うご期待。

テイデ登山に必要なもの

テイデを登山するときに注意しておきたいポイントがいくつかある。

まず気候だが、日中はとても日差しが強い。とにかく日に焼ける。なので、日焼け止めは必須。また帽子もあったほうが良い。ともかく日差しにはかなり体力を奪われるので注意が必要。日本のアルプス登山とかでも、日差しが強い時は堪えるが、テイデの日差しはそれ以上だった。

また、テイデはかなり乾燥していて、日差しもあるので水分を持っていかれる。登り始めると給水はまったくない。Montaña BlancaからAlta Vistaまではそこまで長くないかもしれないが、充分な水は持っていたほうが良い

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写真のように、登山道は日差しを遮るものがない、カラカラの大地である。

最後に地図。テイデはかなり整備されていて、ルートも明白でチェックポイントや分岐には必ず看板で説明書きが書いてあるのでかなり安心。周りの登山者はあまり持っていなかった。しかし、地図は登山には必須で携帯しておいたほうが良いと思う。特に、メインのルートから登らない場合は、持っておいたほうがいい。

準備運動で富士山へ

旅行の二週間前、9月の初旬、テイデの準備運動ということで、富士山へ登った。夜8時くらいから富士宮口から登り始めて、足を慣らした。

ちょっとスタートが早すぎたせいで、朝2時前には山頂についてしまった。

山頂で凍えながらセブンで買った中本のカップ麺を流し込んでご来光を待った。

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富士山はやっぱきれい。山頂からの景色も天気がいいと格別で、この日はご来光もバッチリ見えた。

その後御殿場ルートの砂走を下っていき、朝8時前に御殿場口に到着。体力の心配もあったが、テイデよりも何十メートルか高い富士山にも登ったし、準備万端。さて、どんな景色が私を待っているんだろうか。ワクワクしながらその日を待ちわびたのだった。