これからサンティアゴ巡礼をしようとしている人に向けて、巡礼の持ち物について書こうと思う。
巡礼装備の鉄則
一度巡礼を経験した視点から語ると、巡礼の装備を考える時のポイントは、以下の3つだ。
- とにかく軽量化
- 基本的には登山装備
- 防水への配慮
特に、一番目の軽量化が重要だ。
ヨーロッパに行くということもあり、荷物は多くなってしまいがちだが、長距離を歩くのは意外と過酷である。
荷物を持ちすぎることで、体を痛めてしまい、巡礼を途中で辞めざるを得なくなった巡礼者も、何人かいた。
荷物が多すぎて体を壊してしまっては元も子もない。
しかし、趣味嗜好に関わるものもある(たとえばカメラなど)ので、それらとどう折り合いをつけるかということが重要だと思う。
装備リスト
1. 重要な装備
大体の重要な装備は登山の装備と思ってもらえればいい。
バックパック
これは言わずもがなだが必須。僕は35リットルくらいのColombiaのバックパックを使用していた。
しかし人によっては荷物を減らし、もっと小さいサイズで来ている人もいた。
自分のバックパックでさえ少し大きいほうだったかもしれない。
25リットル以下に出来れば理想だろう。
レインウェア
スペイン北部は意外と雨が降るので必ず持っていたほうがいい。特に冬は、命に関わる。
巡礼者の中には持っていない人もいたし、ポンチョの人もいた。しかし、かなり強い雨が降ることもある。軽いものでも絶対にあったほうが良い。
上だけでも良いかもしれないが、上下あったほうが温かいし、雨に濡れて不快な思いをしなくて済むので、下も持っていくことを強くおすすめする。
かさばらないので、モンベルのストームクルーザーがオススメ。もっていない人は、あまりレインウェアではケチらずに、いいものを買ったほうがよいだろう。
靴
大体は歩きやすいトレッキングシューズだと思う。防水加工がしてあると尚良い。
なるべく歩きやすい靴で行くことがベストだと思う。慣れていない靴で行って、マメだらけになっている人を結構見た。
僕は長年使っていた靴なので、マメはひとつもできなかった。
サンダル・軽い靴
登山口とは別にアルベルゲの中で行動する用のサンダルは必須。
アルベルゲの入り口で登山靴やトレッキングシューズは脱がなければならない為である。
街を散策する時も使えるものが良い。
僕はクロックスを持って行ったが、かなりかさばったので、収納しやすいものがあるとベストだろう。
衣類
基本的に衣類は風通しがよく乾きやすいものが良い。あと基本的には重ね着。
下着(パンツ・ロングTシャツ)に関しては替えを一着ずつ持ち、歩いた後に洗う、というのが良いだろう。(結構めんどうくさくて、2~3日同じ服を着続けたこともあったが・・・。体臭と相談!)
またその上に羽織るシャツを一着持っていった。
ボトムスはトレッキング用のものを2つ、トレッキング用のタイツを1つ持っていった。
この辺は好みだと思うが、軽く出来れば出来るほど尚良い。
防寒具
一着はダウンのようなものがあったほうがよいだろう。特に夜間は冷え込むので重宝する。夜間アルベルゲでは暖房器具がなく、冷え込むこともあるが、そのときにも使える。
登山装備のダウンは軽量かつ頑丈に作られているのでオススメ。
寝袋
アルベルゲには、ベッドはあっても布団はなく、寝袋が必要。場所によっては寝袋を持っていないと入れてくれないところもある。
意外とかさばるし重いので、軽いものが手に入るのであれば、軽いものにしたほうが良い。
各種衛生用品
体を洗うためのボディソープやシャンプー、いろいろと必要だが、僕は日本から石鹸と小さい旅行用シャンプーを持っていった。それがなくなってからは、ボディソープとシャンプーが一体型になったやつを現地で購入して使っていた。
女性はその他生理用品等が必要になると思うが、基本的には現地で購入可能。
タオル
好みにもよるが、僕は普通のハンドタオルと、水泳等で使われる吸水タオルを持っていった。
こんな感じのやつ。かさばらないのでおすすめ。
ザックカバー
カバンの中がぬれるのは悲惨なので必須。大体バックパックを購入するとついているので、それで良い。
貴重品・パスポート・巡礼者用パスポート(クレデンシャル)・携帯電話
言わずもがな。クレデンシャルは現地で発行できる。日本で発行することも可能らしい。
携帯電話に関して持たなくても行けると思う。外界とのコネクションを完全に絶つのも粋だと思う。
ただ、友達ができて連絡先を交換したり、GPSで迷ったら調べてみたり、行く町のアルベルゲがあいているか調べたり、いうまでもなく便利なので、個人的には必須。
充電ケーブル・変換プラグ
携帯電話が必須の前提だと、充電ケーブルも必須。
スペインの場合はコンセントのソケットの形が異なるので、注意が必要。C型のソケットに変換するプラグを、100均あたりで購入すれば、問題なく使用できる。
2. あると便利な物
ヘッドライト
早朝や夜歩く場合は必須。または夜暗いアルベルゲで、何かを探したり、早朝にパッキングをする際には重宝する。
スパッツ
浸水が気になるなら、安いスパッツがあると、かなり防げる。泥んこ道を歩くことが多く、スパッツは再起不能なくらい汚れるので、安いやつでよい。スパッツは身に着けていればそんなに荷物にならない。
手袋
巡礼中それほど厳しい道を通ることはないので、手袋はあってもなくてもいい。防寒対策としては、あると便利。
早朝、雨天や雪の場合はかなり冷え込むので、防寒が心配なら持参をおすすめする。
僕の感覚としては、2月半ば以降は手袋はなくてもそこまで問題はなかった。ちなみに、Sarriaのアルベルゲで手袋は片方紛失した。
防水用バッグ
完全密閉の防水バッグがあれば、どんなに雨が降っても中の荷物が濡れることはない。僕は30リットル用のものを購入し持参した。
スイスアーミーナイフ
あるととても便利。ただ、空路で手荷物としては持ち込み負荷なので、現地調達できれば良いだろう。
ポータブル充電器
アルベルゲの電源事情はまちまちなので、コンセントがあまりないところでも携帯が充電できるよう配慮しておくと困らない。
非常用シェルター
心の支えとして入れておくといい。アルベルゲが寒すぎる時も使用できる。
小さいハンドバッグ
アルベルゲについてから街に繰り出すときに、持っていると便利。
またはシャワーを浴びる際に使用するなど、用途は色々ある。
地図
紙でも、デジタルでも、なにかしら地図は持っていると便利だと思う。
デジタルであれば、情報量の多いものでも持ち運びが可能なので、巡礼のうんちくを知りながら歩くこともできる。
私が使ったのは下記二つで、主に下の地図を使っていた。理由は、情報量の多さだ。アルベルゲの設備に関して情報が乗っているので、結構重宝した。
尚、下の地図はkindle版を購入して、携帯で使用していた。
言語は残念ながら英語のもののみである。尚、スペイン語の巡礼の本に関しては、マドリードの本屋さんで購入可能だった。(買っていないが)
Camino Guides De Santiago Maps 2017: St. Jean Pied De Port--Santiago De Compostela
- 作者: John Brierley
- 出版社/メーカー: Findhorn Pr
- 発売日: 2017/02/14
- メディア: ペーパーバック
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- 作者: Anna Dintaman,David Landis
- 出版社/メーカー: Village to Village Press, LLC
- 発売日: 2017/04/05
- メディア: Kindle版
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また、他の巡礼者の間で人気な地図としては、上記のJohn Brierley氏が書いた詳細な地図や、若干古いがミシュランのガイドなども人気だった。
A Pilgrim's Guide to the Camino De Santiago: St. Jean-Roncesvalles-Santiago (Camino Guides)
- 作者: John Brierley
- 出版社/メーカー: Findhorn Pr
- 発売日: 2017/01/10
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Camino de Santiago Zoom Map 160 2015
- 出版社/メーカー: Michelin Editions des Voyages
- 発売日: 2015/12/01
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ワセリン
豆対策や、足の痛みの対策にワセリンはとても効果的だ。巡礼者の間では評判であった。
僕は足に豆ができなかった為、不要だった。
尚、現地のドラッグストアでも購入できる。
ヴァセリン ペトロリュームジェリー(大)368g [並行輸入品]
- 出版社/メーカー: ヴァセリン
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3.あってもなくてもいいもの
カメラ
これは人次第。僕は結局一眼レフのカメラを持っていったが、結果的には美しい写真が撮れたし、非常に満足した。
バックパック用南京錠
持っていったが一度も使わなかった。
耳栓
巡礼者の中には凄まじいいびきをする人がいる。夜寝ているとき、いびきの合唱になることもある。耳栓は安眠の為にあると良いらしいが、僕は耳栓なしでも問題なく眠れた。
たまに、イヤホンをして音楽を聴いていた、ということもあり、そこまでいびきは気にならなかった。
ストック
足腰の強さにもよるが、無くても問題はない。好みの問題。
衣類用洗剤
コインランドリーのようなところでは、大体自動で洗剤が投入される。
また、石鹸を持っていれば手で衣類を洗うこともできるため、なくても困らない。
洗濯バサミ
洗濯物はベッドのヘリに干せば大体乾くとおもう。もしくはアルベルゲにたまについている乾燥機を利用すればOK。無くてもいい。
S字フック
アルベルゲのシャワールームは荷物の置き場所に困ることが多くS字フックがあると、荷物をカバンにいれて壁際にかけておける。ただ、無くても問題ない。
ホタテ貝
巡礼している者のシンボルだが、巡礼路で見るバックパッカーは基本的に皆巡礼者なので、無くても問題ない。
ただ、精神的な意味でホタテ貝を身につけるのは、とても素敵な行為だと思う。見た目的にも少しオシャレだと思う。
まとめ
荷物は軽ければ軽いほど良い。
大体5キロ以下に出来れば申し分ないだろう。僕の周りで一番荷物が小さかった人の荷物は、3キロ位しかなかった。
自分の場合は6.5キロ〜7キロくらいあったと思うのでなんとも言えないが、体力に合わせて、無理のない重量で行くべきだと思う。
10キロ以上超えると、多分すぐに足を壊してしまうので、注意。
あと、意外と現地調達できるものも多いので、あまり心配しなくても良いと思う。
足が痛くなったときは、液体サロンパス的なものがドラッグストアで買えるし、レオンなどの大きい街にいけば登山用品も購入できるようだ。
ただ、準備できるものはしっかりと準備をして、巡礼を最高の思い出にして欲しいと思う。