2/17(金) León - Hospital de Órbigo
巡礼が始まって早一週間が経過した。
昨日まで痛かった足は朝には万全になっていた。
ホテルが用意してくれていた朝ごはんを頂いて、朝7時過ぎに出発。
ちなみにこの日の朝、僕は日本から持ってきた地図をなくしていたことに気がついた。
しかし、Kindle Fireで別の地図を買っていたので、特に問題はなさそうだった。正直なところ、巡礼路には黄色いペンキで矢印が書いてあったり、帆立貝のマークのサインが立っていたりするので、あまり迷うことはない。むしろ荷物が軽くなってラッキーだった。
ただ地図には、メインルートとは違う、オススメルートみたいなものが書かれていたりする。
Burgos~León間もしばしばあったのだが、車どおりが多くてずっと平坦な国道沿いを通るメインルートに対して、少しナイスな別ルートが存在する場合がある。大体メインルートのほうが短く平坦、単調で、別ルートのほうが長く起伏があり、美しい自然のルートであることが多い。
僕がKindleで持っていた地図によると、本日のルートは、La Virgen del Caminoから二つに分かれていた。
- 国道N120号線沿いに進み、Hospital de Órbigoに至るメインルート
- さらに南のFresno del Caminoへ向かい、Villar de Mazarifeという村を経由しHospital de Órbigoに至るルート
昨日休んだ分もあったので、今日は30kmは歩こうと思っていた。僕は、2のルートに興味があったが、そちらをとると40km近く歩く必要があったため、足の調子や体調をみて決めることにした。
この川を渡り、まっすぐすすんでいく。(写真は昨日の写真)
5km位歩くと、ちょっと高級そうな住宅街に入り、そこからさらに歩くと、見晴らしのいいところにたどり着いた。
郊外の閑静な住宅地、といった感じである。
そこから歩くといっぺん、工場地帯に突入して何も無くなった。
遠くに山が見えた。結構雪が積もっているようだった。3日後くらいには、登山が待っている予定だったので、少し身を案じた。
その後、León空港そばでN120の国道と巡礼路が合流し、N120に沿って進む形となった。
少し歩くと、分岐に至った。結構わかりやすく、分岐の場所が書いてあったので迷うことは無かった。
僕は、そのまま景色の綺麗なほうに行くか迷ったが、明日以降のことも考えるとしんどそうだな、と思ったので、1のルートをとることにした。
そこからは一直線。
こういう教会みたいな建物は村ごとにある。これらのうえには、必ずといっていいほど鶴みたいな鳥が巣をつくっている。なんていう鳥なんだろうか。
国道は長い一直線であったが、ところどころ店があったので、カフェなどに寄りながらすすんでいった。中間地点のVilladangos del Paramoあたりまでは、それなりに店が一定感覚であったと思う。
そこを越えたあたりで、周りに建物が無くなり、狭い獣道みたいな沿道を歩いていくような形になった。
まだ若干足に痛みがあり、13時くらいにやっとHospital de Órbigoの手前の街、San Martín del Caminoという街についた。
正直もう歩くのを辞めたいと思っていたが、ここの公営アルベルゲは、自分の日本の友人がかつて巡礼をしたときに、サイフを盗まれたといっていたところだ。しかもアルベルゲを運営しているホスピタレロ(ボランティアで清掃などを行っている人)がグルで窃盗行為を行っていたらしく、泣き寝入りした、ということだった。インターネットの掲示板でも余り言いうわさを聞かなかったので、今回は小休止したのち、次の街へ進んだ。
まさに「中世ヨーロッパ」なHospital de Órbigo
非常に疲れていたし、足も痛かったが、小休止を頻繁にはさみつつ、何とか15時半くらいにHospital de Órbigoが見えてきた。
このタワーみたいなやつ、たまーに村で目にしていたんだけれども、結局何かわからずじまいだった。
そこから街の中心地に入っていくと、
すばらしい景色が広がっていた。
まさに中世ヨーロッパのような光景である。
ここまで何とか頑張ってきてよかったな、と思った。
巡礼で通った街の中では、町の名前が川の名前からきている町は結構多かった。この川の名前も、Órbigo川である。ここも、古くから巡礼者の寄宿地として栄えたようだ。
橋をわたって少しいくと、アルベルゲがあった。
アルベルゲに荷物を置いて、しばらく町を散策した。
町の終端まで行くと、一気に大地が開けていた。
次の日のルートも、この村から二手に分かれていた。この荒れた道をまっすぐ進んだら、N120と合流して正規ルートである。
一方ここで右に曲がると、別ルートのほうにいける。
見た感じ、向こうのほうが綺麗そうだ。
町の中心地にもどり、スーパーに寄って、アルベルゲに戻った。
村にあった別の教会。やっぱりてっぺんには鳥が住まいを構えていた。
この日のアルベルゲは一人だった。オフシーズンともなれば、アルベルゲにだれも来ないことも多い。このアルベルゲはwifiもキッチンも完璧だったので、自炊をして、ちょっとビールを飲みながら、リラックスして一日を終えたのだった。